透瑠くんと初めて会った時。
読書が好きで、落ち着いた口調で、可愛らしい見た目だったけど、私の同級生達よりも少し大人っぽく感じた。
しかも、明るい家族の中でひとりだけ性格が違うという共通点つき。
自分も読書が好きだから、仲良くなれたらいいなと思って、いきなり下の名前で呼んだら、顔を真っ赤にして照れて……。
その姿が可愛くて、もっと透瑠くんのことを知りたいって思ったんだ。
「だけど……」
「だけど……?」
「……親友の弟だから、なんか気まずくて」
これまで年上を好きになってきた自分が、まさか年下を好きになるなんて思ってもみなかった。
しかも親友の弟。
この世にいないとはいえ、ちょっと恥ずかしい。
ひとりの後輩として、仲の良い年下の友達として接していたけど……再会してから、何度かドキッとしたことあったんだよね。
「好きになっちゃったんなら関係ないと思いますよ。俺の彼女も、委員会で仲良くなった先輩の妹なので、気持ちはわかります」
「……好きって言っても大丈夫かな」



