◇
バレンタインデーの午後2時。
「こんにちは……」
「こんにちは透瑠くん」
約束通りやって来た透瑠くんは大きなバッグを持っていた。
わっ、甘い匂いが漂ってる。
「これ、バレンタインのチョコです」
「ありがとう」
袋から箱が出てくると、甘い匂いがよりいっそう強く漂った。
「じゃあ俺はここで」
「えっ、もう行っちゃうの?」
「はい。ゆっくり味わってくださいね」
彼はあっさり言い残すと、自転車に乗って帰ってしまった。
えっ……本当にチョコを届けに来ただけ?
こっ、告白しに来たんじゃなかったの……⁉
部屋に戻り、箱を開ける。
これ、ガトーショコラじゃん。めちゃめちゃ美味しそう。
一口大に切って口に運ぶと、しっとりとした食感が口の中に広がった。
『「あんなに可愛い笑顔でお菓子渡しているの見たら、自信なくなってきた」って言ってたよ』
バレンタインデーの午後2時。
「こんにちは……」
「こんにちは透瑠くん」
約束通りやって来た透瑠くんは大きなバッグを持っていた。
わっ、甘い匂いが漂ってる。
「これ、バレンタインのチョコです」
「ありがとう」
袋から箱が出てくると、甘い匂いがよりいっそう強く漂った。
「じゃあ俺はここで」
「えっ、もう行っちゃうの?」
「はい。ゆっくり味わってくださいね」
彼はあっさり言い残すと、自転車に乗って帰ってしまった。
えっ……本当にチョコを届けに来ただけ?
こっ、告白しに来たんじゃなかったの……⁉
部屋に戻り、箱を開ける。
これ、ガトーショコラじゃん。めちゃめちゃ美味しそう。
一口大に切って口に運ぶと、しっとりとした食感が口の中に広がった。
『「あんなに可愛い笑顔でお菓子渡しているの見たら、自信なくなってきた」って言ってたよ』



