小動物な後輩君の愛が深すぎる



放課後、菫にもらったアメを舐めながら帰路に就く。


どう説明したらいいんだろう。

先生のことは憧れだって、前にちゃんと話したはず。

でも、お菓子渡したから、恋愛の意味で好きって思わせちゃったのかな。


チラッと前方に目を向ける。

本当にどうしよう。
実は、10メートルくらい前を透瑠くんが歩いてるんだよね……。

なんで今日に限って自転車じゃないんだ……。


距離を取っていたけれど、横断歩道の信号が赤に変わってしまい、透瑠くんが立ち止まってしまった。


このまま歩き続けると見つかってしまう。

でも、距離取って止まってたら、周りの人達から怪しまれるよね……。

少し後ろで待とう。


数十秒後、信号が青に変わった。

動き出そうとしたその時、



「「あっ……」」



車が来てないかキョロキョロし始めた彼とバッチリ目が合ってしまった。



「「…………」」



横断歩道を渡り、途中まで一緒に帰ることに。

いつもはたわいもない話で盛り上がるのに、今日は沈黙が続いている。


どう話を切り出そうか……。

アメを舐めながらぐるぐる考える。