翌朝。



「あ、おはよう透瑠くん」

「透瑠ー、おはよー」

「……おはよう」



玄関のドアを開け、手を振る清花さんと隼くんの元へ駆け寄る。

久しぶりにみんなで登校したくなって、昨日の夜に声をかけたのだ。



「清花さん、学校とは逆方向なのに、わざわざ来たんですか?」

「あ……うん」



えへへと照れ臭そうに笑う姿に心臓がキュンと高鳴った。

若干頬が赤いような。


もしかして……俺に早く会いたかったからとかじゃないよね?

もしそうだとしたら、期待しちゃうよ。



「朝からイチャつくのはやめてくださーい」



しばらく見つめ合っていたら、案の定隼くんからのツッコミが入った。



「毎回毎回、俺がいること忘れんな」

「「だから違うって……あ」」



脅威のシンクロ率にハァと溜め息を吐いた隼くん。

俺の恋を応援してると言っておきながら、めっちゃ突っかかってくるじゃん。
やきもち妬きすぎ。



「ほら、樹くん家行くぞ」

「「はーい」」



返事までもシンクロし、清花さんと顔を見合せて笑う。


姉ちゃん、清花さんと隼くんに出会わせてくれてありがとう。

姉ちゃんの分まで精一杯生きるから、見守っててね。