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彼女達を見送り、部屋に戻ってベッドに倒れ込んだ。


最初は、部活で切磋琢磨していた関係だったらしい。


明るく人望もあり、次々に結果を出し続けた姉ちゃん。

対して自分は、家柄の影響で周りとの距離を感じ、実力が伸びずに悩んだ。


能力の差を見せつけられて、次第に劣等感に襲われ始め……耐えきれなくなってしまった。

なんとも中学生らしい、ちっぽけな理由だった。


いつもヘラヘラしてたから、まさか死ぬとは思ってなくて、かなり焦ったそう。


弟の俺が精神療養のために転校したと聞いて、取り返しのつかないことをしてしまったと激しく後悔し、

人づてに、俺がこっちに戻ってきたことを知って、コンタクトを取ろうと学校に訪れたと。



「学校でも話があったはずなのに、なんで名乗り出なかったんだ」って責めようとしたけれど……責め立てたところで姉ちゃんが戻ってくるわけじゃない。

姉ちゃんのことだから、争わないでって悲しい顔して見てたかもだったから、グッと呑み込んだ。


完全に許せてはないけど、悔やんでいたことと、命日を覚えていたことが救いだった。