「清花ちゃん、検定お疲れ様」

「ありがとう。あまり手伝えなくてごめんね」



11月半ばを過ぎた頃、私達は文化祭の準備に明け暮れていた。

先日の日曜日に検定を無事に終え、今日から放課後を使って準備をすることに。


夏休みの時から勉強してたから、けっこう自信あるんだよね。受かってるといいな。



怜也くんと一緒に喫茶店の宣伝用のポスターに色を塗っていく。



「あ、そうそう。隼のクラス、女装コンテストやるってよ」

「女装……⁉」

「俺、エントリーしちゃった☆」

「マジですか……」



語尾に星を飛ばしてウインクした怜也くん。

女装か……確かに美形だから似合いそうだけども。



「上川の女装、種類によっては痛い奴になりそう」

「あぁ。可愛い系は絶対やめたほうがいいと思う」

「どちらかというと綺麗系が似合いそうだよね!」

「うん! 背高いし!」



同じくポスターを作成中の男子達が、真顔で助言してきた。

隣で作業中の女子達も少し焦った様子で頷いている。