小動物な後輩君の愛が深すぎる


最後に会ったのは、引っ越し前日に見送りに行った時だったっけ。

確かその時、げっそり痩せてたからな。顔色も悪かったし。



「本当はずっと会いたかったんです! だから戻ってきたんです!」

「わ、わかった。話してくれてありがとう」



必死に強調する透瑠くんを落ち着かせる。

そんなストレートに言われたら、なんか恥ずかしくなってきた……。


詳しく話を聞いたら、こっちの学校に通っていた時の友達と同じクラスになったんだって。

引っ越した後も度々連絡を取っていたらしく、以前のように今も仲良く登下校しているんだそう。



「あ、そうだ、海先生怒ってなかった……?」



隣を歩く隼に恐る恐る尋ねた。



「ん? 海先生? 別に怒ってなかったけど」

「本当に……⁉ 私のこと何か言ってなかった⁉」

「うん。むしろ、『突然腕掴んじゃったから嫌がられたかな』って心配してた」

「なぁんだ、良かったぁ~」



怒ってなかったとわかり、胸を撫で下ろした。

腕掴まれた時はちょっとビックリしたけど、別に嫌じゃなかったし。とにかく嫌われなくて良かった。