酔った勢いでお母さんが話したのかと思いきや、お父さんが話してたのね。
この際全部話しちゃおうかな。
「ねぇ、放課後、時間ある……?」
◇
「急に誘ってごめんね」
「いえ、大丈夫ですよ」
放課後、透瑠くんと待ち合わせし、家の近くにある公園に向かう。
最初は家で話そうかと思ったけど、お母さんが騒ぎ立てるだろうと思い、やめたのだ。
歩くこと10分、公園に到着。
遊具で遊ぶ小学生達を通り越して、端っこポツンと置かれたベンチに座った。
「殺到事件の話だけど……実は男子と揉めた時、海先生に助けてもらったんだ」
あれは高校1年の5月。
まだひたむきに委員会に取り組んでいた頃──。
『はぁ……』
机に突っ伏し、溜め息をつく。
今日も朝からジロジロ見られた。
毎日のように、美人美人……うるさい。
騒がれるこっちの身にもなってみろって感じ。
『おはよう清花ちゃん』
『あ、おはよう怜也くん』



