透瑠くんが気を利かせて代わりに答えてくれた。
先生はうさぎ姿を想像したのか、クスクスと笑って、透瑠くんは口を尖らせている。
……なんか、ごめんね。
「失礼しましたー」
昼休み終了の5分前になり、保健室を後にした。
10分くらい仮眠取れたから、ちょっと回復したかも。
「急に迫ってすみませんでした」
ドアを閉めると、透瑠くんは深々と頭を下げてきた。
「先生のこと、憧れてるだけなのに……本当にごめんなさい」
「もういいよ。顔上げて?」
恐る恐る顔を上げた彼と視線が合う。
この顔……夏休みに隼の家で見た時と同じだ。また自分のこと責めてる。
「透瑠くんにまだ、殺到事件のこと話してたなかったね。クラスメイトに聞いたんだっけ?」
「はい。男子と揉めたって聞きました。キャンプの時にも、清花さんが去年体調崩してたって、清花パパから聞いて……それも関係してますか?」
「あー……うん」



