「年下は眼中にないんですか……?」
「そういうわけじゃ……」
なんでそんな悲しい顔するの。
それじゃまるで、「俺は恋愛対象外ですか?」って言ってるみたいじゃん。
透瑠くん、もしかして私のこと……。
さらに距離を縮められ、透瑠くんが再び口を開こうとした瞬間、
──ガラガラガラッ。
「ただいま~」
会議を終えた海先生が帰って来た。
助かった……。
「あれ、なんか空気が重たいね。何話してたの?」
「あ……仮装の話をしてただけです」
「そう? ふたり共暗い顔してるからケンカしたのかと思った」
ケンカではありません。先生の話で言い合ってました。
なんて言えるわけもなく黙り込むと……。
「お互いに仮装することになったんですよ。でも種類があれなので、嫌だなぁって話してたんです」
「あ、そうなんだ。ちなみに何の仮装なの?」
「うさぎです」



