小動物な後輩君の愛が深すぎる

逃がさないと言わんばかりに、肘掛けに手をついて顔を覗き込んできた透瑠くん。

からかってたの、聞かれてたんだ。

なんでって言われても……顔合わせる機会が多かったから、自然と仲良くなっただけなんだけどな。



「ねぇ、答えてよ」

「それは……」



……さっきからタメ語連発してない?
もしかしてやきもち妬いてるの?

怜也くんに妬いていた時に比べて、今回は圧が強いからか、ちょっと怖い。



「怒ると怖いから嫌われたくなくて。あと、憧れの存在でもあるから」

「えっ……?」



……しまった。言わないほうが良かったかな。でも、本当のことだし……。



「それって……先生のことが好きなの?」

「違うよ! 人として好きなだけ!」



またも余計なことを口にしてしまった。

私の姿を捉えている瞳の色がみるみる変わっていく。



「…………清花さんは年上の人が好きなんですね」

「……うん」



確かに、今まで心惹かれた人達は、同じ塾に通っていた他校生の先輩や、委員会で一緒になった先輩で、年上の人ばかりだった。