先生の言う通り、入学した頃は、男子を睨みつけたりするようなキツい性格ではなかった。
自分で言うのもあれだけど、委員会も真面目に頑張ってたほうだと思う。
ただ……男子生徒から美人だと噂されるようになってから、徐々に変わっていった。
一目見ようと、わざわざ保健室に足を運んで来る人が多くて、その上うるさくて。
それに、わざとケガする人もいて……仕事が増えるにつれてストレスも増えていった。
そのせいで心身ともに病んでしまったため、今年はやっていないのだ。
「色々って……もしかして、保健室殺到事件ですか?」
「お、知ってるの?」
「はい。クラスメイトから教えてもらいました」
1年生の間でも知られていたんだ。
っていうか、事件って言われてるのね。
それなら今度は、医者の仮装してたって噂が立っちゃうかな。
「俺、ちょっと会議行ってくるね。ふたり共ゆっくりしてな」
「「はーい」」
「いってらっしゃーい」と先生を見送ると、透瑠くんと再び目が合った。
「……お久しぶりです」
「……久しぶり」



