「失礼します」
「はーい、いらっしゃい」
ドアの開く音がして振り向くと、そこにはうっすら目の下にクマを浮かべた透瑠くんの姿が。
よりによってこのタイミングで来るなんて……顔色悪そうだから休みに来たのかな。
「水沢くんも顔色悪いね、寝不足?」
「いえ、ちょっと熟睡できてなくて……あっ」
身を隠そうとしたが、パチッと目が合ってしまった。
「清花さんも具合悪いんですか?」
「……うん、少しだけ」
「水沢くん、そこまで心配しなくても大丈夫だよ。彼女、さっきニヤニヤしてたから」
「っ……!」
ちょっと先生! 透瑠くんの前でからかわないでよ!
しかもニヤニヤしてたって……その言い方じゃ誤解されちゃうじゃん!
はぁ、さっきいじった仕返しか……。
「……お二人、仲良しですね」
「ハハハ。青石さんとは、去年保健委員をやってくれた時に仲良くなったんだよ。最初は純粋だったのに、今じゃすっかり口達者でねぇ。まぁ、色々あったから仕方ないけど」



