小動物な後輩君の愛が深すぎる

「ごめん……手首大丈夫?」

「はい……勝手に取ってすみませんでした」



その場にしゃがみ、彼女は掴んでいた俺の手首を優しく包み込んだ。

我に返ったのか、顔面蒼白になっている。



「本当にごめんね……」

「俺が悪いんですからそんな顔しないで」



今にも泣きそうな顔をしている彼女の頬に手を伸ばす。

と──。




「イチャつくならドアを閉めてくださーい」



顔を上げた先には、腕を組んで仁王立ちしている隼くんの姿が。

伸ばしていた手を引っ込め、立ち上がって急いで距離を取る。



「だからイチャついてないって……」

「本当か? 『痛い!』って声も聞こえたぞ? まさか、透瑠に乱暴したのか⁉」

「違うんです! 俺が悪くて……」

「……壁に押しつけました」



大声で清花さんに問い詰める隼くんにすぐさま否定するも。彼女は罪をあっさり認めた。



「……返してほしくて、それで手首を強く掴んだってわけ?」

「……はい」

「透瑠、手首大丈夫?」

「う、うん……」