「失礼しまーす。来ないから心配したぞー」
ホッとしていると、トマトバーガーを片手に隼が保健室にやって来た。
しまった。すっかり忘れてた。
「隼! なんでここがわかったの?」
「清花のクラスメイトに聞いた。ほら、忘れ物」
トマトバーガーを受け取る。
どうやら、透瑠くんを運んでいる最中、クラスメイトとすれ違っていたらしい。
急いでたから全然気がつかなかった。
「ありがとう」
「どういたしまして。あれ? 透瑠?」
透瑠くんに気づいた隼がベッドに近づく。
「もしかして、清花に運んでもらったの?」
「うん……」
「マジか。先週も体調崩してたろ? 気をつけろよ?」
ふたりの会話から聞こえた、「先週」という単語に眉をひそめた。
ちょっと待って。
私よりも前に透瑠くんと会ってたの……?
「ねぇ、さっきの何。先週会ったの?」
「あー……うん。実は春休みにも会ってたんだ。言おうと思ってたんだけど、タイミングが掴めなくて……ごめんな」



