何度も命を絶とうとしたけれど、臆病で弱虫な僕は死への恐怖に耐えきれず、そうしているうちに月日だけが容赦なく流れていく。



事件から1年が経っても、僕はどこかで彼女を探していた。

あれは幻だったのではないか。莉乃はずっとかくれんぼをしているだけだ、とバカげたことをずっと考える。とにかく現実を受け止めたくなかったのだ。



2年生になった僕は、大学へ行っては死んだように授業を受けて彼女のいない家に帰り、週に3回バイトに行き、予定がない日はひたすら布団をかぶって、イヤフォンをして彼女が大好きだった音楽を聴きながら、浅い眠りに何度もつく───そんな生活を繰り返していた。



彼女のいない世界に思い残すことなどない。
彼女のところに行きたい。


───けれど、死ぬのは怖い。


矛盾ばかりの僕の思考。希望のなくなった毎日。これから先、僕の命が尽きるまできっと僕はこんなくだらない生き方しかできないのだろう。


そうして半ば人生を諦め始めた僕に、人生を再起させる出来事が起こったのは、彼女がいなくなって3度目の春を迎えようとしていた時のことだった。