「莉央」

「なに?」

「自分でも分からない答えなら、その質問、もうするの辞めたら?」



私が問いかけるたびに帰ってくる答えは同じだった。


言葉が刺さる。

分かってる。分かってるんだ、そんなことは。


ひとつ、答えが分からないなりに考えたことがある。死にたくないのは、死んだ後のことが分からないからなのではないかと、いつかの私はその一説に行きついた。



死んだらどうなるのか。死んだ者は何処に向かうのか。
私は天国に行けるのか。行けたとして、天国はどんなところなのか。


私より先にいなくなってしまった人達には会えるのか。
生きていた頃の悩みは解消されるのか。
死にたくなるような苦しい出来事や、拭いきれない後悔は、死んだら全部なくなるのか。


───いつまでも消えない罪悪感から、私は逃れられるのか。




天国がどういう場所なのか、生きているうちは分からない。
“彼女”は今、幸せに暮らせているのかな。


願わくは、“死んだらどうなるのか”を知っている“彼女”と、話がしたい。