さらに、それとほぼ同時。
教室内に声にかすかなどよめきが広がった。
声にはならないけど、小さく息をのんだり「え、」と零したりする、あの感じ。
そこには利人がいた。
────それだけなら、こうはならなかった思う。
土屋利人があたしの教室にいるのは、みんな見慣れた風景。
今日も同じように、あたしの教室に利人が現れたわけだけど。
その隣に……
「やべえ、お似合いコンビが来た……」
────利人と同じ生徒会メンバー、書紀の
アヤノさんがいた。
利人、なんでその人と一緒に来たの?
「……っ」
利人がこっちを見る気配がして、あたしは思わず斉藤くんの影に隠れるように身を潜めた。



