今まで聞いたどんな声よりも、ぞっとするくらい静かだった。
そして決まって抑揚がなくて、喜怒哀楽のどれ一つ感じられない。
─────こういうときこそ、感情を見せてほしいのに。
どこかで修行してたのってくらい、利人は感情を読ませない。
どうして見せてくれないの。
あたしは何年も一緒にいるのに、
どうして暴けないの?
「でもあたし、愛されたいんだもん。いっぱい抱きしめられたいし、いっぱいキスされたいし、……いっぱい、好きって言われたい」
まだ、かろうじて、手は繋がっている。
「胸焼けがするくらい愛されたいの……。利人にとってはバカみたいな夢かもしれないけど、叶えてくれる人と一緒になりたいのっ……」



