暴いて、甘い衝動 【再連載中】





「ねー乃亜ちゃん、聞いてほしいんだけど……」



学校に着いてから真っ先に向かったのは、あたしの唯一の同性のお友達の机。


可愛らしい顔立ちのわりにクールな性格をしてる乃亜ちゃんは、今日もむずかしそうな文学小説を読んでいた。


あたしが話しかけると、きちんと栞を挟んでから顔を上げてくれる。



「乃亜ちゃん、あたしね……利人と一線超えちゃった」



すると、普段とくに表情を変えない乃亜ちゃんが、珍しくぎょっとした顔をした。



「え……超えたの……?」

「利人にお願いしたら、してくれて」


「……、お願いしたの……?」

「うん。チョコレートで酔っちゃって……ウイスキーバンバンってやつなんだけど……。今となっては考えられないんだけど勢いに任せてつい……」


「……待って。展開が少女漫画すぎない……? ていうか、勢いに任せてってのは、あんまりよろしくないんじゃないの」