「待って……あたしが着替えのお手伝い頼んでたのは、もう5年以上前のハナシだよね?」
そう、5年以上前のハナシだし。
お着替えっていっても、朝が弱くて半分寝てるあたしに利人が制服のベストとかジャケットを着せるのを手伝ってくれてたってだけだし。
さすがに今はお年頃ですので、恥じらいってものがありますので……。
こんなことをされたら、顔から火どころか噴射しちゃう!
「〜〜っ、勝手に入ってこないで! ひとりで着替えるからっ」
「いやここ俺の部屋」
「え」
「昨日泊めてって言ったのはどこの誰?」
慌てて周りを見る。
飾り気のない壁。
すっきりとしたデスク。
そして……薄グレーのシーツのベッド……。
紛れもない、利人の部屋。
「う、あ、昨日……そっか」
キスの感触を思い出して、急激に顔が火照てる。
どうしよう。何話せばいいの。どんな顔して利人を見ればいいの……っ?
「ほら、制服」
「っ、は」
とつぜん、あたしの顔めがけてブラウスとスカートが飛んできた。
ついでにブラも……
────って、ぎゃあ!?



