甘やかされると、さらに甘えたくなるのが女の子のサガ、なのかもしれない。
離れていく熱が寂しくて、それを追いかけるように今度は自分から唇を重ねてしまった。
びく、と、一瞬利人の肩が揺れる。
驚いたのか、一瞬身を引く気配がして。
────だけど、どうやら観念したみたい。
次の瞬間、奪い返すように唇を塞がれた。
「っ、……んぅっ」
噛みつくみたいに激しいキス。
ぜんぜん逃してくれない。
少しでも動こうとすると、もっと深く押し込まれる。
どうしよう、酸素たりない。
くらくらしてきた。
くるしいし、あついし……
でも、この熱は、半分は利人のものだから。
「……利人、もっと……っ」
たまらなくなって服をぎゅっと引っ張る。
大胆すぎた、かな。
でも、もう何も考えられない。利人の熱がほしいってこと以外……。
「……は、ぁ」
キスが深くなる中で、息も乱れて。
下手くそなあたしは、利人が呼吸のタイミングをつくってくれるのに、息を吸うことすらままならずに。
─────落ちていく。



