暴いて、甘い衝動 【再連載中】



状況把握にかかった時間は30秒くらい。

ぽかんとしていたというか、もはや頭がフリーズしたというか。



利人、今……なにを……。


ものすごい時間差で心臓がドクドクッと音を立てて。
それからやっと、相手の目を見る。



感情の読めない、無機質な瞳。

表情を変えないまま、利人は「ごめん」ともう一度謝った。



ごめんが何を指しているのか、一瞬わからなくなった。

おでこにキスされただけで数分前の記憶すら飛んじゃいそうになるなんて、あたし今、相当ポンコツかも。


そういえば冷たい目で、乱暴に押し倒されたんだった。そうだった、と一応我に返って。



「……えっと、ゆるさない……けど」

「うん」

「ちゃんとキスしてくれたら、ゆるしてあげても……」



────あれ。
あたし何言ってるの。




「……キス?」

「……う、」


「……ここに?」


利人の指先が、唇に触れる。

あたしは操られるみたいに、こくんとうなずいた。