びっくりして、顔を覆っていた手のひらを思わず横にずらしてしまう。 そのせいで、不覚にも利人を見上げるかたちになった──────はずが。 なぜか、目に映ったのは、再び真っ黒な世界。 それが、利人の手のひらによって視界を遮られていたからだって気づいたのは、 「ごめん、……菜結」 おでこに、柔らかいものが───利人の唇が、触れたあとのことだった。