「利人、やめてっ」
体が動かない代わりに、大きな声をふりしぼった。
「利人に酷くされるの、つらいから、やめて……」
そう言い切った瞬間、我慢していた涙がぼろぼろ零れて、ベッドのシーツをべちゃべちゃにしていく。
利人がどう受け取ったのかわからないけど、あたしを拘束していた手の力がふと緩くなった。
その隙に、あたしは両手で顔を覆った。
泣いてる顔を見られたくないのはもちろんだけど。
それ以上に、利人が今どんな表情をしているのか見るのが怖かったから。
「……利人、あたしのこと、嫌い……?」
沈黙になるだろうことは、なんとなく予感してた。
どうして自傷じみたこと聞いちゃうんだろう。
怖い。もう終わったかもしれない。
胸が張り裂けそうだった。
ただ息をするのさえ苦しくて……。
だけど、それからしばらくして。
返事の代わりみたいに、利人の手が、そっとあたしの頭を撫でた。



