あたしの扱いはいつも雑だけど、雑なのと優しくないのは違う。
雑な利人は好きだけど、優しくない利人は好きじゃない。
「どうせ痛い目見るなら、早めに見たほうがいいんじゃないの」
「……、や、だ」
「やだ? 自業自得なのに?」
体重がかかって、伸びてきた手のひらが無遠慮に太ももに触れた。
「……っ、やめて」
どうしよう。怖くてしかたない。
利人のことが、じゃなくて、利人があたしをちっとも好きじゃないって思い知らされるのが。
優しくない利人は好きじゃないよ。好きじゃないけど、残念ながら、そのたったひとつの理由だけでこの人を好きじゃなくはなれない。
「利人、もどって……」
いつもの利人に戻って。
必死の訴えは届かず。あたしの声に耳を貸さないどころか、その手をさらに奥まで進めてきた。
「っ、やぁ……」
直接肌に触れられると、意図せずうわずった声が漏れる。いたたまれない。泣きそう。



