「あ、ありがとう……っ」
布越しにあったかい体温を感じる。
………好き。大好き。
つい気持ちが暴走しかけた矢先。
「暑い」
べりっと体を引き剥がされた。
……ひどい。
余韻くらい感じさせてくれてもいいのに!
「さっきの答えてよ……。キスのこと」
またしてもめげずに相手の腕を捕まえて、自分のほうに引き寄せる。
「利人、」と名前を呼んで、見あげると、あたしを映した瞳が、不機嫌に細められた。
………あ。
と、一瞬にしてだめな雰囲気を悟った。
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