ゆっくりと体重がかかって、あたしの体は再びソファへと沈んていく。
抵抗しろと命じられたので、一応、あたしを押し倒すその手を掴んではみたけど。
「ぜんぜん力入ってない」
「だ、って」
「菜結」
「っ、できないよ」
押し倒されて、見つめられて。
頭のブレーキが着実に緩んでいく。
「なんでできないの」
「……利人だから……」
「理由になってないな」
「だって、キスできそうな距離……」
「……キス?」
「っ、……、あ……」
しまった。つい。
慌てて言い訳をさがすけど、見つからなくて。
もういっそ、この勢いに任せてキスできちゃえば……いいのに、なんて。



