ポワーンとしてるから、フィルターがかかったみたいに利人の周りにたくさんハートが飛んで見える。
「お前なんで下着なの」
「んえ……?」
「さっきまでちゃんとパーカー着てたでしょ」
「……あ、そーいえば……さっき、脱いじゃったかも……」
直後、体をべりっと引き剥がされた。
「脱いじゃったかも、じゃないっつーの……」
強く抱きしめたつもりなのに、あたしの腕なんか簡単に振りほどいて、そして、不機嫌に睨んでくる。
みんなの前では絶対しないウラの顔。
そんなに怒るほど、ひっつくのやだった……?
好き好きフィルターは一瞬にしてガラガラと崩れ落ちて、ズドンと重たい気持ちだけが残った。
利人、やっぱりあたしのこと、きらいなのかな……。
じわっと目元が熱くなる。
「ごめ……んね、」



