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「………菜結、」
心地いい夢の世界にいたのに、ゆさゆさ体を揺すられて、意識が現実にもどっていく。
「髪、濡れたままだと風邪引くだろ」
すぐ近くで聞こえるのは世界で一番好きな声。
こころなしか、普段聞いてる響きよりも優しい気がする。
「う……、りひと……?」
おもむろに手を伸ばして、相手の体温を探しあてた。
逃げられる前にと、その体を抱きしめる。
それでも足りない。
もっともっと近くにその温かさを感じたくて、ぎゅっと自分のほうへ引き寄せた。
「利人のからだ、なんかあつい……?」
「……、風呂あがりだから当たり前でしょ」
「だからかあ……いい匂いすると思った……」
夢のからは覚めてるはずなのに、頭はまだポワーンとしてる。



