ぼっと火がついたみたいに熱くなった。
鏡がなくても、自分の顔色を把握できるほど。


“あのコト”掘り返されるたびにこうなっちゃう。

どんなに言い訳しても過去は変えられないから……開き直るしか道はない。



「今どきの女子高生はみんな読んでるよっ」

「あんなエロ本を?」

「エロ本じゃないからあっ! レディース漫画なの! ちょっと大人向けってだけ!」



利人が見たページが、たまたま、ちょっとディープな甘々シーンだったんだよ。



「堂々とあんなページ開いたまま寝落ちして。起こしに来た俺に見られるとか恥ずかしくないの」

「うう……」


「ブックカバーつけてタイトル隠してるけど、ちゃっかり全巻揃えて本棚に並べてるもんな」

「……、……だって、すごい胸キュンするんだもん………しょうがないじゃん」