そんなに夢中になるほどのモノが、スマホの画面上にあるっていうの?


まさか、いかがわしいものでも?

いや、それやりも。

女の子からのメッセージに返信してるとかだったらどうしよう!!



「ねえ、何見てるの、」


距離をつめて、そのスマホをのぞきこんだ……直後、画面がシュッと真っ暗になった。



「っあ、ひどい!」

「人のスマホは、勝手に?」


「……のぞいちゃいけません」

「そーいうこと」


でも、気になるじゃん……。


「隠すってことは、隠さなきゃいけないようなものを見てたってことでしょ」

「友だちに返信してただけ」

「……ほんと? ヘンなもの見てたんじゃないの」

「逆に聞くけど、なに想像してんの」



利人の目がやっとあたしを捉えたかと思えば、悪い顔でにやりと笑って。

その笑顔を見た瞬間、「あ……マズいかも」と、本能的に悟る。



「俺は、お前ほど変態じゃないと思うけど」

「ち、ちが、違う 」


「コソコソ隠れてエロい漫画読んでたのは誰?」

「っあ、あれは……っ、い、言わない約束でしょっ!?」