それから5分が経ち、10分が経ち。
だらりと体重を預けて眠っているらしいお目付け役に声をかける。
「……利人、止まったよ」
「……」
「ねえ、りひ────、」
思わず言葉を切った。
後ろから回されていた手に、ふいに力がこもって……
「っ、ひゃ?」
後ろに重心をかけらて、ぐわんと浮いた感覚。
そのままベッドになだれ込む。
「なにっ、? 急に……」
「うるさい……喋るな」
「っ、もしかして寝ぼけてるの? ここ利人の部屋じゃないし、あたしは抱き枕でもないよ」
「……だから、」
“ うるさい ”
不機嫌な声はたしかにそう言った。
でも、その言葉は
「───っ、んん」
無理やりあたしを自分の方に向かせた利人の唇に呑み込まれた。



