暴いて、甘い衝動 【再連載中】


冷たいけど、隣に利人がいるから効果はプラマイでゼロな気がする。

のぼせた感じがずっと続いて、止まりそうにない。



あたしが鼻血を出してそれを手際よく処置してくれる利人。

できる男すぎて逆に寂しくなる。


いっつもあたしばっかり動揺して、この人はいつだって冷静極まりないんだから。



「……ねえ利人。鼻血、この前食べたウイスキーバンバンのせいだと思うのね。チョコレート食べると鼻血出やすくなるって小学校の先生が言ってた気がする」

「はいはいそうかもな」


テキトウにあしらいながら、新しいティッシュを手渡してくる。



「どんだけ出るんだよ」


く、と喉で笑われた。



「こーいうのは普通、男側が出すもんじゃないんですかね、菜結ちゃん」

「っ!」


不意打ちのちゃん付け。

意味わかんない、バカたれ!
余計にドバドバ出ちゃう。


「うるさいうるさいいいい利人あっち行ってて」

「あっちって。べつにすることないしな」


「スマホでも触ってればいいでしょ」

「……ああ、お前のエロ本読んでればいいか」