「ぎゃっ……ごめんなさい……は、鼻血!?」
なんてことだろうか。
一緒にお風呂に入るどころか、一緒にお風呂入る妄想をしただけでこの有様。
「菜結ティッシュどこ」
「んう、ベッドの枕の横……」
「取ってくるから下向いて自分で抑えてな」
箱ごと持ってきて、雑に抜き取った3、4枚のティッシュをまとめて顔に押し付けられる。
それから無言で部屋を出ていった。
かと思えばすぐ戻ってきて。
その手には、ビニール袋に入った氷と、ハンドタオルがあった。
「とりあえずベッド座りな」
大人しく言うことを聞いた。
隣に利人が座ると、ズンっとベッドが沈む。
「一緒に風呂入るって聞いてえろいこと想像したんだ?」
「う……ちが、……わないけど……。〜っ、しょうがなくないっ? 想像もなにも一緒にお風呂自体えっちだよ……!」
「開き直るなよ変態」
こっちが否定の言葉を発する前に、ハンドタオルにくるまれた氷がおでこにくっつけられる。
「んっ……、冷たい」



