暴いて、甘い衝動 【再連載中】


あたしの背中をもてあそぶ手は止まらなかった。


その指先が輪郭をたどりながら太ももに到達しようとしたとき、もういよいよダメだと思って。

ようやく「ごめんなさい」を口にしかけたときには涙目になってた。


そんなあたしを見て悪魔な生徒会長が楽しそうに笑う。



「聞こえなかったな、もっかい言って」


「っ、そんなわけないっ、ちゃんと言った……!」

「最後まではっきり言わないとわかんないよ。ほら、トラえもん一時停止しといてやるから」



トラえもんどころじゃないよ、バカっ……!



「ぅ……、忘れ物してごめんなさい……もう、しません……他の人から借りません……」



諦めモードでもう一度謝る。

そしたらどうしたことか。



「ん、いい子」



おっきな手が、頭にポンと落ちてきて、

そして、やさしー手つきでナデナデ。



背中に集中してた意識が、今度は頭に移動してくる。



「こっちのが言うこと聞きそうだね、お前。次から言いつけ破ったらこれでいこうかな」



おとなしく撫でられてるあたしを見下ろす目は、悔しいほどに楽しげだった。