「やぁっ、……ん」
ハッとして唇を噛むも、もう遅い。
どうして……?ただなぞられてるだけなのに……。
そういえば、乃亜ちゃんが言ってた気がする。
ヒト体の神経はタテに通ってるから、同じ方向になぞられると敏感に反応しちゃう、とかナントカ……。
これ以上、醜態をさらす前に──
「も…っ、やめてっ……」
「いいよ、ちゃんと謝れたらね」
「へ……? なにを……」
「今日は忘れ物してごめんなさい。俺以外の男にモノを借りてごめんなさい。悪いことしたら謝るのが礼儀だよね、前に教えなかった?」
妖しく細められる瞳。
その目つきにもゾクゾクしちゃうってヘンなのかも……。
いや、ヘンなのはあたしじゃない、断じて。
「利人、今日朝からヘンすぎ……」
「毎回しつけ方が雑だって言うから、丁寧に教えてやろうとしてるんだよ」
「いやだからってこれは……っ」
「うるさいな。お前だって、痛いより気持ちいいほうがいいでしょ?」
にこ、と笑う顔、どう見ても悪魔!
利人が丁寧なの、逆に怖い。
悪魔のカオに、“みんなの生徒会長”が混ざってる。



