暴いて、甘い衝動 【再連載中】


つくりすぎちゃったっていうのはたぶん口実。

あたしが利人とケンカしてたから、一緒に食べる機会をつくってくれたんだと思う。

エリカさんって、そーいう人。



助かった。

利人の部屋に行くとかいうハナシ、これでとりあえずはなかったことになったよね。

利人のアソビ相手のことを考えて、ヘンにもやもやしなくて済む……。



「なにホッとした顔してんの」


見透かしたようなタイミングで、悪魔がニヤリと笑った。



「さっきのハナシ、なかったことにはさせねえから」

「へ?」

「俺の役に立ちたいんでしょ」



………え?


顔をあげたときには、もう利人は先を歩いてた。


あたしは心臓をバクバクさせながら追いかける。



そして約20分後。


あたしのお父さんからウチの合鍵を持たされてる利人は、我が物顔で扉のロックを解除した。