九月の撮影は地味な場所が多い。
学校の正門、駅の大階段、君の家の前。この一年で、何度も撮ったところばかりだ。
“そろそろ終わりね”
そうかな?
もう一冊、アルバムを作るのも悪くないかもよ。
九月十二日、これが最後の日。
花火大会で登った山を、今回は昼間から目指す。
山と言っても丘程度の高さしかなく、山頂には小さな公園が設けられていた。
一応は舗装された道を、十五分も歩けば展望の良い公園に着くはずだった。
しかし、この日は生憎の雨が邪魔をする。
運悪く、台風が直撃してしまったからだ。
カメラをタオルで包んで守りながら、強風の中を歩み進む。
傘を差すのはとうに諦め、杖の代わりにして体を支えるのに使った。
フラフラするのは、風のせいばかりではなかろう。
ロクに食事も取らない日が多かったからか、微熱が引かないのには常に悩まされていた。
最後までやり遂げる、その意地で足を動かして、やっとの思いで公園へと辿り着く。
展望台には屋根があるので、横殴りの雨が鬱陶しいとは言え、道中よりはマシだ。
学校の正門、駅の大階段、君の家の前。この一年で、何度も撮ったところばかりだ。
“そろそろ終わりね”
そうかな?
もう一冊、アルバムを作るのも悪くないかもよ。
九月十二日、これが最後の日。
花火大会で登った山を、今回は昼間から目指す。
山と言っても丘程度の高さしかなく、山頂には小さな公園が設けられていた。
一応は舗装された道を、十五分も歩けば展望の良い公園に着くはずだった。
しかし、この日は生憎の雨が邪魔をする。
運悪く、台風が直撃してしまったからだ。
カメラをタオルで包んで守りながら、強風の中を歩み進む。
傘を差すのはとうに諦め、杖の代わりにして体を支えるのに使った。
フラフラするのは、風のせいばかりではなかろう。
ロクに食事も取らない日が多かったからか、微熱が引かないのには常に悩まされていた。
最後までやり遂げる、その意地で足を動かして、やっとの思いで公園へと辿り着く。
展望台には屋根があるので、横殴りの雨が鬱陶しいとは言え、道中よりはマシだ。



