ビビディ バビディ ブー! 幸せになーれ!〜この愛があなたに届きますように~

「はぁぁ、本当に疲れた…」

ベッドに倒れこみ一人きりになると、広い家で二人きりになった緊張からようやく解放されて一気に疲労感が押し寄せる。

ついさっき…。

みんなの前では、結婚式だし当然と言えば当然なのだが、私にひたすら甘く微笑んでベタベタしていた迫田さんは、二人になると途端に距離をとり、私から目をそらしてそっけなくなった。

はじめて足を踏み入れた家の中をもう少し案内してもらえると思っていたのに、一緒にリビングで少しくつろぐこともせずに自室にさっさと引きこもってしまった。

改めて、この結婚は契約なのだと思いしる。

家の中では私たちはただの同居人なのだ。

わかってはいたがこんなにも1階と2階、生活空間をきれいにたて分けられるとは思ってもいなかった。
俺に干渉するな、俺の生活エリアに入るなと言われたようで悲しくなる。

だからといって、冗談だろうが同じ部屋で寝ることなんて絶対無理だ。