ビビディ バビディ ブー! 幸せになーれ!〜この愛があなたに届きますように~

この人は誰にでもこうなのだろうか?
まわりに気を持たせて勘違いさせて…。
きっと会社の受付にいた女性も…。

こんな風にされたら誰だって迫田さんに好意をもつだろう。

こんな風に彼が接している人が会社に、ううん、彼のまわりにどれくらいいるのだろう。


いやだ!

これって、、、嫉妬だ。


私は本当の妻じゃないんだから絶対に抱いてはいけない感情だ。

これから、私は迫田さんと一緒に生活しはじめるのだ。

こんな気持ちも態度も彼に悟られてはいけないのだ。



だけど今夜から…。



おじいちゃんと式までは居たいからとどうにかお婆様を納得させたが、今夜からは同じ家に住むことになっている……。



突然、眩しいスポットライトに目が眩み

「行くぞ」

と囁く迫田さんの声にはっと我に返る。


「新郎新婦か入場します」

目の前の光景に緊張で足がすくみ、顔がこわばった私に

「大丈夫だ、俺だけをみとけ」

優しく微笑んだ迫田さんが私の顔を覗き込み、腕にかけていた私の手をとり軽く口づけ、その手を再び自分の腕をつかませると、それを合図にゆっくりと前に進み出した。

迫田さんの行動に会場はわれんばかりの拍手と歓声で沸き上がり、私は…。

もう何も考えられなくて、隣に寄り添う迫田さんにドキドキしながら頬を染め…。

緊張した結婚式は、熱い眼差しで新婦に優しく微笑む新郎と、緊張しながらも頬を染めて俯く可愛らしい新婦。お互いに愛し合い、幸せいっぱいな二人なんだと参列者から羨ましがられ、みんなから祝福されてきがつけばいつの間にか無事に終わっていた。