私達が押し問答している副社長室がノックされて、顔を覗かせた相楽さんを押しのけて勢いよく飛び込んできたのはお祖母様だった。
「あぁ朋葉さん!やっとまた会えたわ」
ぎゅうっと私に抱きついてきたお祖母様が瞳をうるませ
「さっき、貴方のお祖父様にお会いしてご挨拶してきたのよ。
大知!!
あなたはご挨拶に行ったことなんですぐに私に言わないの!」
お祖母様が迫田さんを叱りつける。
「本当にのんびりした孫でごめんなさいね朋葉さん。
今、式場おさえてきたの。一刻も早く、結婚してお祖父様を安心させてあげましょうね。
お祖父様お身体を悪くされてもう自分は長くないから早く朋葉の花嫁姿が見たいっておっしゃってたの」
「えっ…?」
「あなたをまた一人ぼっちにして逝けないからって結婚をとても喜んでくださってね。朋葉さん、あなたはもう私達迫田家の娘よ。
けっして一人じゃないから大丈夫よ」
おじいちゃんが長くない…?
お祖母様の言葉に頭が真っ白になりいつの間にか涙が溢れていた。
私、おじいちゃんから何も聞いていない…。
でも、そういえば…。
このところ体調が悪いってちょくちょく仕事を休んだり、しんどそうにして休憩ばかりとっていた。
そんなに悪かったの?
私…気にも止めてなかった。
現れるはずのない迫田さんのことばかり考えて、おじいちゃんのこと気にしてなかった…。
「おじいちゃん…私を一人にしたくないって…そんなこと…」
涙でぐちゃぐちゃの顔で迫田さんを見上げると、困ったような顔をして小さく頷いた彼を見て事実なんだと溢れた涙が止まらない。
この日、私達の間で結婚の契約が口頭で秘密裏にかわされた。
この結婚はおじいちゃんがいなくなって一周忌が終わるまで。
それまでは夫婦を演じること。
それだけで十分だ。
この人にはずっと手に入れたいと想う特別な女性がいるのだ。
長くそばにいてはいけない。
いたらきっと、一人ぼっちになることが寂しくて、ずっと隣に居続けたくてこの人を手に入れたいと望んでしまうだろうから…。
「あぁ朋葉さん!やっとまた会えたわ」
ぎゅうっと私に抱きついてきたお祖母様が瞳をうるませ
「さっき、貴方のお祖父様にお会いしてご挨拶してきたのよ。
大知!!
あなたはご挨拶に行ったことなんですぐに私に言わないの!」
お祖母様が迫田さんを叱りつける。
「本当にのんびりした孫でごめんなさいね朋葉さん。
今、式場おさえてきたの。一刻も早く、結婚してお祖父様を安心させてあげましょうね。
お祖父様お身体を悪くされてもう自分は長くないから早く朋葉の花嫁姿が見たいっておっしゃってたの」
「えっ…?」
「あなたをまた一人ぼっちにして逝けないからって結婚をとても喜んでくださってね。朋葉さん、あなたはもう私達迫田家の娘よ。
けっして一人じゃないから大丈夫よ」
おじいちゃんが長くない…?
お祖母様の言葉に頭が真っ白になりいつの間にか涙が溢れていた。
私、おじいちゃんから何も聞いていない…。
でも、そういえば…。
このところ体調が悪いってちょくちょく仕事を休んだり、しんどそうにして休憩ばかりとっていた。
そんなに悪かったの?
私…気にも止めてなかった。
現れるはずのない迫田さんのことばかり考えて、おじいちゃんのこと気にしてなかった…。
「おじいちゃん…私を一人にしたくないって…そんなこと…」
涙でぐちゃぐちゃの顔で迫田さんを見上げると、困ったような顔をして小さく頷いた彼を見て事実なんだと溢れた涙が止まらない。
この日、私達の間で結婚の契約が口頭で秘密裏にかわされた。
この結婚はおじいちゃんがいなくなって一周忌が終わるまで。
それまでは夫婦を演じること。
それだけで十分だ。
この人にはずっと手に入れたいと想う特別な女性がいるのだ。
長くそばにいてはいけない。
いたらきっと、一人ぼっちになることが寂しくて、ずっと隣に居続けたくてこの人を手に入れたいと望んでしまうだろうから…。


