ビビディ バビディ ブー！ 幸せになーれ！〜この愛があなたに届きますように～

「ん…？今の…なんか聞き覚えあるな…」

私が囁いた言葉を聞き取った相楽さんが首を傾げて考え込む。

「どこでだったかな…」


「今のは…有名な童話にでてくる魔法の呪文です。
最近アニメや実写化されて映画になったりしましたからそれで聞き覚えがあるんじゃないですか？」

相楽さんはぽんっと手を叩き

「あぁ、あれか！ガラスの靴の…そう、シンデレラだ！

かぼちゃが馬車になったりネズミが馬になったりするやつだよな。

あぁ確かに今のキミみたいだな。

灰かぶり姫、いやキミは土まみれ姫だな。

さぁそろそろ王子が現れる時間だ。

自分で手入れした屋上庭園で、王子とゆっくり楽しむといい」

ノックされて開かれた扉には、目を丸くして立ち尽くすピシッとスーツを着こなして、髪を整髪料で整えた先ほどよりも数倍、ううん、数万倍格好いい迫田さんが現れた。