食い入るように鏡を見つめる私の背後に立った相楽さんは、鏡越しに私を見ながら
「へぇ、案外化けるもんだな。
俺の好みじゃないがこうしてきちんと化粧すると結構可愛いじゃないか」
自分でも別人じゃないかっていうくらいの仕上がりに、鏡に映る姿に驚いて、でもそれ以上に褒めてくれた相楽さんの言葉が嬉しくて笑みが溢れた。
「ふふっ、どうもありがとうございます」
振り向いて相楽さんにお礼を言うと、目を反らせた相楽さんが
「大丈夫だ、これなら朋葉ちゃんもお嬢様に引けを取らないよ」
と眼鏡のつるをもちかけ直した。
そうだ、もうすぐ、もうまもなく大役を果たす時がやってくる。
今更ながらに心臓が口から飛び出すんじゃないかと思うくらいバクバクしてきた。
ここまで、たくさんの人たちが私を綺麗に変身させてくれた。
唯一足りないのは"勇気"。
あとは自信をもって顔をあげ、胸を張って歩く勇気がほしくて自分自身に魔法をかける。
「ビビディ、バビディ、ブーっ!」
囁くように呟きながら、鏡を見つめて自分自身に魔法をかける。
「へぇ、案外化けるもんだな。
俺の好みじゃないがこうしてきちんと化粧すると結構可愛いじゃないか」
自分でも別人じゃないかっていうくらいの仕上がりに、鏡に映る姿に驚いて、でもそれ以上に褒めてくれた相楽さんの言葉が嬉しくて笑みが溢れた。
「ふふっ、どうもありがとうございます」
振り向いて相楽さんにお礼を言うと、目を反らせた相楽さんが
「大丈夫だ、これなら朋葉ちゃんもお嬢様に引けを取らないよ」
と眼鏡のつるをもちかけ直した。
そうだ、もうすぐ、もうまもなく大役を果たす時がやってくる。
今更ながらに心臓が口から飛び出すんじゃないかと思うくらいバクバクしてきた。
ここまで、たくさんの人たちが私を綺麗に変身させてくれた。
唯一足りないのは"勇気"。
あとは自信をもって顔をあげ、胸を張って歩く勇気がほしくて自分自身に魔法をかける。
「ビビディ、バビディ、ブーっ!」
囁くように呟きながら、鏡を見つめて自分自身に魔法をかける。


