ビビディ バビディ ブー! 幸せになーれ!〜この愛があなたに届きますように~

「さて、俺たちも出発だ」

「えっと…どちらへ…」

たんかをきったものの、まだ出会って間もない相楽さんは少し苦手で、二人にされて戸惑う私に、相楽さんは私を上から下まで眺めると軽くため息をつき肩をすくめた。

「そんな汗だくの泥まみれで見合い会場に行けるわけないだろ。
いいか、今日の見合い相手は、三井財閥のお嬢様だ。
歳は23、キミより若くて容姿端麗、頭脳明晰の才女で非の打ち所のない生粋のお嬢様だ」

改めて教えられた迫田さんのお相手の情報に、意気込んでいた気持ちがみるみるしぼむ。

「まぁ、そんなにおちこむな。二人を比べたら天と地の差があることなんて俺たちも重々承知だ。
まぁ、唯一朋葉ちゃんがお嬢様より勝てているところは大知が彼女ではなくキミをお気に召しているとこだけ。
だけどそこが一番重要だ。

幸い大知の両親は、大知が想う相手がいるならお見合いまでに紹介しろといっているし、弟の知基がこのお見合いに来ることになっている。

だから、とりあえず俺たちは今から身なりを整えに行く。
以上、あとは黙ってついて来なさい」


「は、い…」

歩き出した相楽さんの背中を慌てて追いかけ、すでに予約されていたエステ、美容院、呉服屋とあっという間に気がつけばきれいに髪を結われてお化粧を施された私は、見違えるくらい別人に仕上げられていた。