16時30分

授業が終わった。
なるべく真っ直ぐ帰りたくない。
そんな時いつもならお寺に行くけど、行けるはずもなく...
仕方ないから駅近にあるカフェに入った。

「いらっしゃいませって凛じゃん!」
カフェの制服にショートエプロンを巻いた絢斗がそう言った。

「久しぶり!似合ってるね」
私が言うと、照れたよに笑った。

「1人?」

「うん」

「じゃあ、こちらへどうぞ」
そう言って案内してもらった場所は窓際の2名席だった。

「なんか随分と若い女性客が多いね」

「そうか?」

「それより...こちらメニューです」
周りのお客さんが見てることに気づいたのか、急に他人行儀になった。

「じゃあ、アイスココアで」

「かしこまりました」
そう言うと、手書きの注文伝票を書き、
何故か私に四つ折りに折られた紙をさっと渡して来た。

絢斗がその場から離れてから、その紙をゆっくり開いた。

[17時上がりだから、なんか悩んでるなら聞くよ?]



次に、アイスココアが運んで来た絢斗に私はアイコンタクトをし、頷いてメモの返事をした。