哀恋の先で、泣いて。

「俺はさっ……別れたくない」
「私も」

「ずっと一緒にいたい」
「私も」

「もう遅いんだよな」
「うん」

「もう戻れないんだよな」
「うん」



「「もう終わりなんだ」」



ふたりで打った終止符。きっと私たちは付き合う前にも付き合い当初にも戻れないし、あの関係で笑い合えることはないだろう。

いまはお互い大好きでも時間が経てば、大好きじゃなくなるし、この気持ちを別の誰かに伝えるのだろう。



幸せと不幸は紙一重なのだろうか。それはとても幸せで、不幸なことだと思ってしまった。

この先、この温かい腕に抱きしめてもらえるのも、温かい唇を重ねてもらえるのも、「すきだよ」って言ってもらえるのも、私じゃない。


違う誰かをすきになって、抱きしめて、キスをして、私の記憶は薄れていく。違う誰かと幸せになる麻弥を想像すると痛くて痛くて苦しいけれど、幸せな気持ちになる。