この煌めきは渡せない



相手のことをどんな言葉で語られても、私はきっと許せなかった。

でも、まっすぐに〝俺の好きな人〟なんて言われたら……。

密かに育てていた私の恋心も報われる。


「先生」

「うん?」

「いくみん」

「うん」

郁巳(いくみ)先生」

「なんだよ」

本当は私だって先生に想われたかったけれど、先生と恋ができるのはひとりしかいない。


「結婚、おめでとうございます」

ずっと言いたくて、ずっと言えなかった言葉だ。

私もね、もっと早く出逢いたかった。

でも、先生が選んだ人も、その恋も、きっと絶対に運命に決まってるから。


「おう、サンキュ」

先生が嬉しそうに笑う。その左手に光る指輪が、いつまでも美しく輝いていた。




《END》