「妖刀…?」
アカギリが俺に渡したのは前の契約者が使っていた妖刀らしい。
「私の妖刀は癖が強くてな。前の契約者も使いこなせていなかった。ユウが使いこなせるなら妖力が増すはずじゃ」
鞘から抜いてみろと言われて抜いてみる。青白い刃に少し熱を感じる。
「抜けたか…振ってみろ」
「こ、こうか?」
軽く振ってみれば青い炎が太刀筋を輝かせた。アカギリは驚いた様子が隠しきれていなかった。
「まさか、適合者が現れるとは…」
刀が使える妖族はあまりいないんだとか。
「…かっこいいかも…」
「自惚れも程々になぁ…」
強めのデコピンで額から血が…

「なんだこれ…尻尾…?」
風呂に入ろうと脱衣所で服を脱げばあるはずない猫のような耳と尻尾がある事に気づいた。
「まじかよ…このまま学校に行くのはまずいだろ…」
ダイレンが笑い転げる姿が目に浮かぶ。上がってからアカギリに聞いてみるか。
湯船に浸かりながら自分の尻尾を撫でてみた。それにしても我ながらいい毛並み…
「自惚れとるな」
「うわぁぁぁぁぁ⁉」
うるさいのぉと耳を塞いでいるアカギリ。いや…なんでいるんだよ。
「別によかろう、妖の姿なんじゃから」
そういう問題ではないと思うけどな。
「俺、明日これで学校行かないと行けないのか?」
「なんじゃ、嫌か」
「嫌です」
「ユウはもう平族じゃないからの…ヒトガタになる事も教えても良いが…明日はそれで行け」
「マジですか…」
気分が下がる俺の隣で満足そうな笑みを浮かべて焼酎を飲んでいた。
「アカギリっていくつなんだよ…学生は呑めないだろ」
「未成年はなぁ。私は未成年ではないからな。」