「なっ、なんで……っ」
ガチャガチャと音が鳴るだけで、ドアが開くことはなくて。
「ごめん、海凪。
鍵かけたの、俺」
「っ!!」
背中にぬくもりを感じてバッと勢いよく振り向けば。
「ここ、内側からもこれがないと開かないんだよ」
「っ!!」
目の前で掲げられたそれに、絶句する。
「頭いい海凪ならもうわかったんじゃない?
俺が東屋じゃなくて、学校を指定した理由」
「っ……」
こんな時ばかりすぐに頭が働いて。
「まっ、まさかだよね……?」
フッと口角を上げて微笑む漣くん。
その瞳は鋭く、身震いするほど色気が感じられて。
ジリジリ下がるわたしの前で、漣くんも一歩一歩近づいてくる。
「そのまさかだよ」
目にかかるほど長い前髪をかきあげて、グイッとネクタイをゆるめる。
そしてはぁっと息をはいた。
「海凪から話があるって言われたとき、すぐに察しがついたよ。あのふたりを見た直後だったし」



